【会社設立後に知っておきたい税務】消費税の税込処理による法人税額への影響

「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」の適用を受けることにより30万円未満の減価償却資産を一括で損金算入できます。これを活用することによって節税をすることはよくある手法ですが注意しなければならないことがあります。

1.中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の概要

 法人税法上の「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」とは、税法上の中小企業者等が、取得価額30万円未満の減価償却資産を取得して事業供用した場合に、合計300万円(原則)まで、その全額を損金(経費)に算入することができる制度です。

2.消費税の会計処理方法の選択

 法人税法上、法人が行う取引に係る消費税等の会計処理方法については、税抜経理方式(消費税を含めないで経理する方式)と税込経理方式(消費税を含めて経理する方式)の、どちらの方式を採用してもよいこととされています。
 また、消費税の会計処理方法について法人が採用した方式は、原則として、その法人の行うすべての取引について適用するものとされています。
 なお、固定資産ごとに異なる会計処理方法を採用することはできません。

3.消費税の会計処理方法の選択が及ぼす影響

 上記1.の「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」における「30万円未満」の判定については、法人が選択している消費税の会計処理方法にしたがって行うことと定められています。
 したがって、今回のご相談の場合、消費税の会計処理方法は税込経理方式を採用していることから、タイムレコーダーの取得価額は308,000円(消費税率10%込み)となります。このため、タイムレコーダー1台あたりの取得価額は30万円以上となり、上記1.の要件を満たさず、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用は受けられないこととなります。

 

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