【会社設立後に知っておきたい税務】平成29年度租税特別措置法の適用実態について

 会社設立をすると、それから毎年法人税の決算が必要になり、税金を納めることになります。その税金を計算するにあたって、会社設立直後の会社の大部分が該当する中小零細企業においては税額計算が優遇される租税特別措置法の摘要があります。

 財務省は、平成29年度租税特別措置の適用実態調査の結果を公表しました。
 それによりますと、平成29年度(2017年4月~2018年3月)に終了した事業年度又は連結事業年度において、適用額明細書の提出があった法人数は123.1万法人(前年度118.3万法人)となり、前年度から4.1%増加し、適用件数は法人税関係の租税特別措置85項目(同82項目)について延べ192.3万件(同183.3万件)となり、4.9%増加しました。

 租税特別措置の種類ごとにみてみますと、中小企業への軽減税率(資本金1億円以下の中小企業には、年800万円以下の所得に特例で15%の税率)を適用する「法人税率の特例」(2措置)は、適用件数が93.2万件(前年度比4.3万件増)となり、適用額は3兆6,574億円(同2,162億円増)となりました。
 この要因として、景気回復によって法人税を支払う黒字企業が増加したためとみられております。

「税額控除」(16措置)は、適用件数が17.6万件(前年度比1.4万件増)、適用額が1兆944億円(同463億円増)となりました。
 適用額の主な内訳は、平成27年度から適用要件を緩和した「所得拡大促進税制」が3,849億円(同665億円増)、「研究開発税制」が6,660億円(同734億円増)、「生産性向上設備投資促進税制(一部)」が57億円(同914億円減)となりました。

 「特別償却」(28措置)は、適用件数が5.8万件(前年度比1.0万件減)、適用額が1兆1,684億円(同6,185億円減)となりまいた。
 適用額の主な内訳は、「中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却」が4,194億円(同1,777億円減)、「生産性向上設備投資促進税制(一部)」が2,006億円(同6,931億円減)となりました。
 「準備金等」(15措置)は、適用件数が1.3万件(同500件減)、適用額が8,959億円(同747億円増)となりました。

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