【会社設立後に知っておきたい税務】雑誌の購読費用を年払いした場合の、短期前払費用の適用可否

短期前払費用として、法人税法の節税手法としてよく利用されています。ただし、前払いすればすべて適用できるかというとそうではなく、一定の制限があります。

1.法人税法上の短期前払費用の概要

 法人税法上、前払費用(法人が一定の契約に基づき継続的に役務の提供(サービスの提供)を受けるために支出した費用のうち、その事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するもの)のうち、その支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入(経費として計上)しているときは、これを認めることとされています。これを「短期前払費用」といいます。

 さらに、税務上、短期前払費用とは次の4つの要件の全てを満たす費用でなければならないと解されています。

  • ①一定の契約に従って継続的に提供を受けること。すなわち、等質等量のサービスがその契約期間中継続的に提供されること
  • ②役務の提供の対価であること
  • ③翌期以降において時の経過に応じて費用化されるものであること
  • ④現実にその対価として支払ったものであること

2.雑誌の定期購入費用についての短期前払費用の適用の可否

 上記1.のとおり、短期前払費用として取り扱われるのは、「継続的に役務の提供(サービスの提供)を受けるために支出した費用」のうち一定のものです。

 例えば、雑誌の年間購入料金の場合は、物品の購入費用であって、継続的に役務の提供(サービスの提供)を受けるための費用ではないため、その料金を前払いしたとても、税務上の短期前払費用には該当しないこととなります。

 したがって、雑誌の年間料金を支払っても翌年度の期間に対応する部分(未経過部分)については、今年度の損金の額(経費)には算入されないものと考えられます。

[参考]
 法基通2-2-14、法人税相談事例など

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