【会社設立後に知っておきたい税務】財務省が2019年度租税特別措置の適用実態調査結果報告を公表しました

 財務省は、2019年度租税特別措置の適用実態調査結果報告を公表しました。
 それによりますと、2019年度(2019年4月~2020年3月)に終了した事業年度又は連結事業年度において、適用額明細書の提出があった法人数は約132万法人(2018年度約127万法人)で前年度から3.7%増加し、適用件数は法人税関係の租税特別措置83項目(同86項目)について約206万件(同約198万件)と同3.9%増加しました。

 租税特別措置の主な種類ごとにみてみますと、中小企業へ軽減税率(資本金1億円以下の中小企業には年800万円以下の所得に特例で15%(本則の軽減税率は19%)の税率)を適用する「法人税率の特例」(2措置)が、適用件数が98.9万件(2018年度比3.0%増)、適用額が3兆9589億円(同3.9%増)で最多となりました。
 また、「税額控除」(18措置)は、適用件数が18.1万件(同0.7%減)、適用額が8356億円(同17.8%減)となりました。

「税額控除」では、「給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の法人税額の特別控除」が適用件数13万件、適用額2,289億円で最多となりました。
 同控除は、大企業向けの賃上げ・生産性向上のための措置と所得拡大促進税制の適用を合わせた数字で、11.9万件は中小企業向けの措置で、次いで「中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除」が、適用件数が2.8万件、適用額が183億円となりました。

 そのほか、「特別償却」(30措置)が適用件数4.7万件(2018年度比5.0%減)、適用額9,356億円(同4.1%減)となり、そのうち「中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却」が同2.6万件、同2,338億円となりました。

 適用数の実績が想定外に少ない租税特別措置等は、必要性や将来見込みの検証を徹底する必要があることから、税制改正プロセスにおいて、総務省による政策評価の点検結果や、財務省の適用実態調査の結果を活用して、租税特別措置の必要性や政策効果を検証しております。
 今後の動向に注目です。

 

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