千葉で建設業の会社設立を進める流れをわかりやすく開設

千葉で建設業を始めるにあたり、「会社を作ったほうがいいのか」「個人事業のままでいいのか」で迷う方は多いです。

さらに建設業は、「会社を作れば終わり」ではないのがややこしいところです。仕事の内容や金額によっては、建設業許可が必要になる場合があります。先にここを整理しておかないと、「せっかく動いたのに、思った形で受注できなかった」ということが起きやすくなります。

また、建設業は材料費や外注費などの支出が先に出やすく、入金まで時間がかかることもあります。そのため、開業の手続きだけでなく、お金の流れをイメージして準備することがとても大切です。

この記事では、千葉で建設業の会社設立を考えている方向けに、最初に決めるべきことと、つまずきやすいポイントを、できるだけわかりやすく整理します。

「建設業許可を取るか」を最初に決める

千葉で建設業として仕事をするなら、まず考えたいのが「建設業許可が必要かどうか」です。

ここがあいまいなまま会社を作ると、あとから「この金額の工事は許可がないと受けられない」と気づいて、予定していた動きが止まってしまうことがあります。

知っておきたい許可が必要になる目安

建設業許可が必要になるかどうかは、ざっくり言うと「工事の内容」と「1件の工事の金額」で決まります。

許可がいらない工事(軽い工事)の目安は、次のとおりです。金額は消費税なども含めた合計で考えます。

  • 建築一式工事:1件の請負代金が1,500万円未満、または木造住宅で延べ面積150㎡未満
  • それ以外の工事:1件の請負代金が500万円未満

逆にいえば、上の金額以上になる工事を請け負う場合は、原則として建設業許可が必要になります。

「金額が小さいから大丈夫」と決めつけないほうがいい理由

金額が目安以下でも、実務では許可がある会社のほうが信用されやすい場面があります。

たとえば、取引先(元請け)から「許可のある会社に発注したい」と言われることもあります。つまり、許可の有無は“受注できる仕事の幅”に影響しやすいということです。

また、工事の金額は見積りの段階では読みにくいこともあります。追加工事が出たり、範囲が広がったりして、結果として目安を超えるケースもあるため、少しでも超えそうなら早めに整理しておくと安心です。

許可が必要かを判断するために、先に整理しておくとラクなこと

許可の要否を判断するときは、細かい手続きよりも先に、次の情報を確認にしておくとスムーズです。

  • どんな工事を中心に受けたいか(例:内装、外構、設備、解体など)
  • 1件あたりの想定金額(よくある金額の幅でもOK)
  • 取引先のイメージ(元請け中心か、直接受注が多いか)
  • 工事の進め方(自社施工が多いか、外注が多いか)
  • 事務所(営業所)をどこに置く予定か

これを確認しておくだけで、「許可が必要か」「会社設立の準備で何を優先するか」が整理しやすくなります。

千葉で建設業の会社設立をする流れ

会社設立は、やることが多く見えて不安になりがちです。そこで、流れを「決める → 作る → 出す」に分けると整理しやすくなります。

特に建設業は、受注の形・体制・お金がかみ合っていないと、会社ができても仕事が進めづらくなります。ここでは、ムダなやり直しを減らすための全体の段取りをまとめます。

設立前に決めること

まずは、手続きより先に会社の土台を決めます。

  • 会社の形(株式会社にするか、合同会社にするか)
  • 会社名(同じ名前が使えるかは登記の確認が必要になることがあります)
  • 本店の住所(事務所・営業所の場所)
  • 誰が役員になるか(代表者、共同経営かどうか)
  • 資本金(見せ方だけでなく、当面の運転資金も意識する)
  • 事業の内容(定款や各種の手続きで使うため)

建設業の場合はここに加えて、どんな工事を、どれくらいの金額で受ける予定かも一緒に整理しておくと安心です。

会社を作る手続きの流れ

会社設立の手続きは、一般的に次の順で進みます。細かい書類名はあとで確認できるので、まずは順番を押さえるのが大事です。

定款を作る

定款(会社のルール)を作ります。ここには、会社名や住所、事業の内容などが入ります。建設業では、事業の内容の書き方が後で効いてくることがあるため、雑に決めないほうが安全です。

株式会社の場合は公証役場で定款の認証をする

株式会社は、作った定款を公証役場で認証する手続きがあります。合同会社は、一般的にこの認証はありません。

資本金を払い込む

決めた資本金を払い込みます。通帳の記録など、あとで説明できる形で残すことが大切です。

登記を申請する

法務局に登記を申請して、会社が正式にスタートします。ここまでが「会社を作る」部分です。

設立後にやること 後回しにすると困りやすい

会社ができた直後は忙しくなりがちですが、設立後にも必要な届け出や整備があります。ここを放置すると、あとでまとめて大変になります。

税金まわりの届け出

会社を作ったら、税務署などに届け出が必要になることがあります。どれが必要かは会社の状況で変わるため、「いつまでに出すものがある」という意識だけでも先に持っておくと安心です。

社会保険・労務の手続き 人を雇う可能性があるなら早めに

役員だけで始めるのか、すぐに従業員を雇うのかで、準備する内容が変わります。建設業は現場が動き出すと時間が取れないので、雇う予定があるなら先回りしておくとラクです。

お金の出入りの準備 口座・請求・領収書の管理

建設業は、材料費や外注費などが先に出やすいので、開業直後からお金の管理の型を作ることが重要です。

  • 事業用の口座を用意する(会社のお金を分ける)
  • 請求書の出し方を決める(締め日・入金日など)
  • 領収書や請求書をため込まない仕組みを作る

最初から完璧を目指す必要はありませんが、最低限の型があるだけで、資金繰りの不安や手戻りが大きく減ります。

会社形態の選び方 株式会社・合同会社を建設業目線で比較

会社を作ると決めたら、次に迷いやすいのが「株式会社にするか、合同会社にするか」です。

どちらが正解というより、「これからの受注の形」と「広げ方」に合うほうを選ぶのが大事です。建設業は取引先との関係や信用が仕事に直結しやすいので、建設業ならではの見え方も含めて考えると決めやすくなります。

株式会社が向きやすいケース 信用・取引先・拡大

株式会社は、世の中に一番広く知られている会社の形です。そのため、取引先や金融機関などから見て「わかりやすい」という強みがあります。

  • 元請けや法人の取引先を増やしたい
  • 今後、従業員を増やして規模を広げたい
  • 銀行などからの評価を意識したい
  • 会社としての見え方(信用)を優先したい

建設業では、取引先によっては「株式会社のほうが安心」と感じることがあります。もちろん、合同会社でもしっかり運営していれば信用は作れますが、最初から信用面を強くしたい人には株式会社が合いやすいです。

合同会社が向きやすいケース コスト・意思決定スピード

合同会社は、比較的新しい会社の形ですが、きちんと登記されたれっきとした法人です。特徴は、作るときの手続きが比較的シンプルで、運営も小回りが利きやすい点です。

  • まずは小さく始めて、利益を残したい
  • 意思決定を速くしたい(少人数で回す)
  • 初期コストや手続きの負担を抑えたい
  • 将来の拡大は、状況を見て考えたい

建設業で、まずは一人~少人数で始めて、受注が安定してから広げる方針なら、合同会社は現実的な選択になります。

メリット・デメリットを一枚で比較 建設業目線

比較ポイント 株式会社 合同会社
取引先からの見え方 一般的に馴染みがあり、安心感を持たれやすい 業種・相手によっては説明が必要なこともある
作るときの手続き 手続きがやや多め(定款の認証などが必要になる) 比較的シンプル(一般的に定款の認証は不要)
初期費用のイメージ 合同会社より高くなりやすい 株式会社より抑えやすい
意思決定の速さ ルールを整えやすい一方、決め方は設計次第 少人数運営と相性がよく、スピード重視にしやすい
将来の広げ方 採用・取引拡大など、外に広げる形と相性がよい 小さく始めてから、必要なら体制を見直すやり方が向きやすい

 

迷ったときの決め方 建設業でよくある結論

最後に、判断がブレないようにシンプルな決め方を置いておきます。

  • 元請けを増やしたい/対外的な信用を優先したい:株式会社が合いやすい
  • まずは小さく始めて利益を残し、必要なら後で広げたい:合同会社が合いやすい

どちらを選んでも、会社の中身(お金の管理、契約、請求の型など)を整えることで信用は積み上がります。だからこそ、最初は自分の働き方と受注の形に合うほうを選ぶのが現実的です。

定款・登記で失敗しやすいポイント

会社設立の手続きは、流れさえ分かれば進められます。ただ、建設業の場合は、あとから困りやすい「落とし穴」があります。

ここで紹介するポイントを押さえておくと、やり直し手間の増加を減らせます。

事業目的の書き方

定款には「この会社は何をする会社か」という事業目的を書きます。ここが弱いと、あとから「その事業が書かれていないので手続きが進めにくい」「取引や申請のときに説明が必要になる」といったことが起きます。

建設業では特に、仕事の幅が広がりやすいのが特徴です。今は内装中心でも、将来は外構や設備、リフォームなどに広がることもあります。そのため、事業目的は今の仕事近い将来の広がりを見て書くのが安全です。

事業目的を考えるときのコツ

  • 今すでに受けている工事(例:内装工事、外構工事、設備工事など)をまず書き出す
  • 近い将来に増えそうな工事も足しておく(広げる予定があるなら)
  • 「何でも屋」になりすぎないように、建設業に関係する範囲でまとめる

事業目的は、短くきれいに書くことよりも、実際の事業とズレないことが大切です。

「あとで追加すればいい」は手間が増えやすい

もちろん、事業目的は後から追加もできます。ただ、その場合は手続きが増え、時間や費用がかかることがあります。

最初の段階で、「今」と「近い将来」をセットで考えておくと、あとからの負担が減ります。

資本金はいくらが妥当? 建設業は「見え方」と「現実」を両方見る

資本金は「いくらにするか」を決められます。極端に言えば少額でも会社は作れますが、建設業では資本金の決め方が後から効いてくることがあります。

ポイントは、見え方現実の運転資金を分けて考えることです。

資本金でよくある失敗

  • 少なすぎて、材料費や外注費の支払いが回らない
  • 入金まで時間がかかり、資金繰りが苦しくなる
  • 取引先から見て「体力がなさそう」と感じられ、信用面で不安が出る

建設業は、仕事が入った瞬間に材料費や外注費が出ていきます。一方で、入金は締め日や検収の都合で遅れることもあります。つまり、「先に出て、あとで入る」形になりやすい業種です。

だからこそ、資本金は「会社を作るための数字」ではなく、開業直後の支払いを止めないための土台として考えるのが大切です。

決めるときの考え方

難しい計算をしなくても、次のように考えると判断しやすくなります。

  • 材料費・外注費など、先に出るお金がどれくらいあるか
  • 入金までの期間(たとえば1〜2か月遅れる前提など)
  • 当面の固定費(家賃、車両費、通信費など)

この3つで「数か月資金繰りが回るか」を確認にすると、資本金の決め方が現実的になります。

登記でつまずきやすいポイント

登記は「書類を出せば終わり」ではなく、細かいところで止まりやすい部分もあります。よくあるつまずきどころを整理します。

会社名(商号)の注意点

似た名前が多いと、取引先が混乱したり、検索しても見つけにくかったりします。建設業は紹介や口コミも大切なので、呼ばれやすい名前にしておくと後がラクです。

本店住所(事務所)の注意点

本店住所は「とりあえず自宅」で始める方もいます。その場合は、郵便物の受け取りや、取引先への見え方なども踏まえて、無理がない形にしておくのが大切です。

役員の決め方 あとで揉めないために

共同で始める場合は、最初の段階で「誰が何を決めるか」「お金の扱いはどうするか」をざっくりでも決めておくと安心です。ここが曖昧だと、仕事が増えたときに意思決定が止まりやすくなるためです。

会社設立はスタート地点です。建設業では特に、最初に事業目的資本金を現実に合わせて決めることで、開業後の動きがスムーズになります。

設立後すぐに必要な税務・社会保険・労務の手続き

会社を作った直後は、名刺や口座づくり、現場の準備などで忙しくなりがちです。ですが、設立後には「出しておくべき届け出」「整えておくべき手続き」があります。

ここを後回しにすると、あとでまとめて対応することになり、余計に大変になります。最低限、何があるかだけでも先に押さえておくと安心です。

出すべき届け出について

会社を作ると、税務署などに届け出が必要になることがあります。

どの届け出が必要かは、会社の状況によって変わります。たとえば、青色申告を使うかどうか、役員報酬をどうするか、消費税の考え方をどうするか、などで変わります。

ここで大事なのは、書類名を暗記することではなく、「期限があるものがある」と理解しておくことです。期限を過ぎると、選べる制度が減ったり、手続きが面倒になったりすることがあります。

税金でつまずきやすいポイント

  • ・届け出の出し忘れで、あとから不利になる
  • ・役員報酬をなんとなく決めてしまい、後で調整が難しくなる
  • ・領収書や請求書が散らばって、数字が追えなくなる

建設業は現場が回り出すと管理が後回しになりやすいので、最初に「お金の記録を残す型」を作っておくのがコツです。

消費税・インボイスについて

消費税やインボイスは、内容が難しく見えやすいテーマです。ただ、最初の判断はシンプルで、「取引先から求められるか」「これからの売上の見込み」を確認するのが入り口になります。

建設業は、元請け・下請けなどの立場で状況が変わりやすく、同じ業種でも判断が割れます。

整理しておくと判断しやすいメモ

  • 主な取引先(元請け中心か、直接受注が多いか)
  • 請求書の出し方(誰に、どんな形で出すか)
  • 今後の売上の見込み(大まかでOK)

制度の細かい説明よりも先に、まずは自社の状況を言葉にすることで、判断がスムーズになります。

社会保険・労務について

設立後に人を雇う予定があるなら、社会保険や労務まわりの準備は早めが安心です。建設業は現場が忙しくなると、事務の時間が取りづらくなります。

また、建設業は外注を使うことも多いので、「従業員として雇うのか」「外注として頼むのか」の線引きも、早めに整理しておくと混乱が減ります。

雇用がある場合に起きやすい困りごと

  • 雇った後に手続きを始めて、期限や必要書類で慌てる
  • 給与の決め方が曖昧で、支払いが毎月バラつく
  • 現場が優先になり、書類がたまってしまう

最初から完璧に整える必要はありませんが、「雇う可能性があるか」だけでも先に決めておくと、準備がしやすくなります。

開業直後の「お金の管理」

建設業は、材料費や外注費など支払いが先入金が後になりやすいです。そのため、設立後すぐにお金の管理を最低限でも整えることが大切です。

最低限そろえる3つ

  • 事業用の口座(会社のお金を分ける)
  • 請求と入金のルール(締め日・入金日を決める)
  • 領収書・請求書の置き場所(ため込まない仕組み)

この3つがあるだけで、「今いくら残っているか」「いつ入金があるか」が見えやすくなり、資金繰りの不安が減ります。

会社設立はゴールではなくスタートです。設立後の手続きは、できるだけ早めに整理しておくことで、現場に集中できる時間を増やせます。

建設業が使いやすい資金調達の選択肢

建設業は、仕事が始まると材料費や外注費などの支払いが先に出やすい一方で、入金は後になることがあります。だからこそ、会社設立と同時に「お金をどう回すか」を決めておくことが大切です。

ここでは、千葉で建設業の会社を立ち上げるときに考えやすい資金調達の選択肢と、通りやすくするための準備を整理します。

資金調達は「何に使うお金か」を言えることが重要

融資などを考えるときは、「いくら借りたいか」より先に、何のために、いつ必要かをはっきりさせるのがコツです。

  • 設備や工具の購入(車両、機械、備品など)
  • 材料費・外注費の立て替え
  • 家賃・人件費など、毎月の固定費
  • 入金までのつなぎ(資金繰りのゆとり)

この整理ができると、必要額の根拠が作りやすくなり、説明もしやすくなります。

創業時に検討されやすい資金調達の選択肢

日本政策金融公庫の創業向け融資

創業時の資金調達としてよく検討されるのが、日本政策金融公庫の創業向け融資です。創業計画(事業の内容や見込み)をもとに審査されるため、数字と根拠の整理が重要になります。

建設業の場合は、工事の受注見込みや、材料費・外注費の出方などを説明できると、話がスムーズになりやすいです。

千葉県や市区町村の制度融資など

地域によっては、県や市区町村が案内している制度(制度融資など)を検討できる場合があります。内容は時期や地域で変わるため、最新の条件は確認が必要ですが、選択肢として知っておくと安心です。

制度の内容を調べるときは、「創業向け」「小規模事業者向け」などの枠があるかを見ていくと整理しやすくなります。

取引先との条件調整

融資だけでなく、資金繰りをラクにする方法として、取引条件の調整も重要です。

  • 着手金をもらえる形にできないか
  • 材料の発注タイミングを工夫できないか
  • 支払いサイト(支払日・入金日)を把握して、無理のない受注にできないか

建設業はここが変わるだけで、必要な借入額が大きく変わることがあります。

建設業が審査で見られやすいポイント

資金調達の場面では、「勢い」よりも根拠が見られます。特に建設業では、次の点を説明できると安心です。

工事の見込みが分かる資料があるか

  • 見積書(工事内容と金額が分かる)
  • 受注の見込み(口頭でも、メモで整理しておく)
  • 過去に実績がある場合は、過去の売上の流れが分かる資料

「今はまだ確定していない」という場合でも、どんな客層で、どうやって受注するかを言語化できると説明がしやすくなります。

お金の出入りがイメージできているか

建設業は先に支払いが出ることが多いので、次の点が整理されていると安心です。

  • 材料費・外注費がいつ、いくら出るか(ざっくりでOK)
  • 入金がいつ入るか(締め日・入金日)
  • その間の不足分をどう埋めるか

ここが整理できていると、「いくら必要か」が自然に決まりやすくなります。

生活費と事業費が分かれているか

創業直後は混ざりやすいですが、できるだけ早く会社のお金個人のお金を分けることが大切です。

  • 事業用口座を用意する
  • 支払いはできるだけ会社の口座・カードにまとめる
  • 領収書・請求書は月ごとに分けて保管する

この基本ができるだけで、説明のしやすさが大きく変わります。

借り過ぎないための考え方

資金調達は、少なすぎても苦しくなりますが、借り過ぎると返済が重くなります。建設業は波が出ることもあるため、「最初から背伸びしない」判断も大切です。

目安としては、次の2つをセットで考えると現実的です。

  • 受注しても止まらないだけの運転資金(材料費・外注費・固定費)
  • 想定より入金が遅れても耐えられるゆとり

資金調達は、会社設立の手続きと同じくらい重要な準備です。数字をきれいに作るよりも、まずはお金の流れを言葉にするところから始めると、判断がブレにくくなります。

建設業許可を取る場合の進め方

建設業で会社を作るときは、早い段階で「建設業許可が必要か」を整理するのが大切です。

許可が必要になる工事の目安は、一般的に次のとおりです(金額は消費税なども含めた合計で考えます)。

  • 建築一式工事:1件の請負代金が1,500万円以上、または木造住宅で延べ面積150㎡以上
  • それ以外の工事:1件の請負代金が500万円以上

ここに当てはまりそうなら、会社設立と同時に許可取得の準備も視野に入れておくと安心です。

会社設立と許可申請、どっちを先に動かす?

「会社を先に作るべきか」「許可の準備を先にすべきか」は、状況によって変わります。

ただ、考え方としてはシンプルで、許可の申請で確認されるポイントがそろう順番で進めるのが基本です。

  • 営業所(事務所)をどこに置くか
  • 会社の体制(誰が経営を管理するか、誰が技術面を見るか)
  • 常に在籍していることが必要な立場の人がいるか

このあたりがまだ決まっていない段階だと、許可の準備は進めにくくなります。逆に言えば、ここが固まっていれば、会社設立と並行して準備を進めやすくなります。

許可で確認されやすいポイント

建設業許可では、「経営の経験があるか」「技術面を見られる人がいるか」、そして「営業所の体制が整っているか」といった点が確認されます。

ここで大切なのは、単に「います」と言うだけでなく、必要に応じて説明できる材料をそろえることです。

よく準備が必要になるもの

  • 経営に関わった経験を説明できる情報(期間、役割など)
  • 技術面を見られる人についての情報(資格や経験など)
  • 営業所(事務所)の状況が分かる情報(場所、使い方など)

細かい必要書類はケースで変わるため、まずは「誰が」「どんな立場で」「どれくらいの期間」関わってきたかをメモにしておくと整理しやすくなります。

「500万円の壁」だけで判断しない注意点

許可が必要かどうかは金額が目安になりますが、実務では金額だけで決めないほうがよいことがあります。

実務で起きやすいケース

  • ・見積り時は小さく見えても、追加工事で結果的に金額が上がる
  • ・元請けや取引先から、金額に関係なく「許可がある会社が望ましい」と言われる
  • ・許可がないことで、受けられる工事の幅が狭くなる

特に建設業は、現場が動いてから条件が変わることもあります。だからこそ、「今は小さい工事だけ」と決めていても、少しでも広がる可能性があるなら、早めに許可の要否を整理しておくと安心です。

許可が必要か判断するために

許可の要否や準備の方向性を決めるために、次のメモを用意しておくと判断が早くなります。

  • ・予定している工事の種類(例:内装、外構、設備、解体など)
  • ・1件あたりの想定金額(よくある金額の幅でもOK)
  • ・元請け中心か、直接受注が多いか
  • ・営業所(事務所)の予定地
  • ・経営面を担う人、技術面を担う人(候補でもOK)

このメモがあるだけで、許可の話が一気に整理しやすくなります。許可が必要になるかどうかは、会社設立の方針やお金の準備にも関わるため、最初に向き合っておく価値が高いポイントです。

取引先に信用されるために

会社を作ったばかりの時期は、仕事を取ることに意識が向きやすいです。ですが建設業では、開業直後に「当たり前の型」を作っておくと、取引先からの信用が上がり、トラブルも減ります。

ここで言う型とは、難しい仕組みではありません。見積・契約・請求と、お金の記録を「いつも同じやり方でできる」ようにすることです。

請負契約・見積・請求について

建設業でトラブルが起きやすいのは、工事の内容よりも、「約束の仕方」があいまいなときです。

たとえば、口頭だけで進めると、次のような問題が起きやすくなります。

  • ・「そこまで含むと思っていた」「聞いていない」という追加工事のもめごと
  • ・金額の根拠が伝わらず、値引き交渉が長引く
  • ・請求のタイミングがズレて、入金が遅れる

これを防ぐために、最低限、次の3つをそろえるのがおすすめです。

見積書は「範囲」と「条件」を書く

見積書は金額だけでなく、どこまでが工事の範囲か含まれないものは何かをはっきりさせるのが大切です。

  • 工事の範囲(どこまでやるか)
  • 含まれないもの(別途になる作業や材料)
  • 工期の目安
  • 支払い条件(いつ請求して、いつ入金か)

ここが明確だと、取引先も判断しやすくなり、話が早くなります。

契約は「いつ」「何を」「いくらで」を残す

契約書や発注書など、形は取引先によって変わりますが、重要なのは約束が残ることです。

特に建設業では、追加工事が発生しやすいので、追加が出たときは「追加分は別の見積・別の承認」にするルールを作ると、もめごとが減ります。

請求は「締め」と「入金日」を先に決める

資金繰りを安定させるには、請求を後回しにしないことが大切です。

おすすめは、取引先ごとに締め日入金日をメモにしておき、請求漏れを防ぐことです。これだけで、開業直後の資金繰りはかなり楽になります。

工事別の原価管理の最低ライン

建設業は「売上はあるのにお金が残らない」が起きやすい業種です。その原因の多くは、工事ごとの利益が見えていないことにあります。

最初から細かい管理をする必要はありません。まずは最低ラインとして、工事ごとに次の3つを押さえるだけで十分です。

工事ごとに「売上」と「主な支出」をひもづける

  • 売上(その工事の請求額)
  • 材料費(その工事の材料)
  • 外注費(その工事で頼んだ外注)

この3つがつながるだけで、「どの工事が利益を出しているか」が見えやすくなります。

領収書・請求書は「工事名」でまとめる

書類の管理が苦手でも、ルールをシンプルにすれば続けやすいです。

  • 封筒やクリアファイルを用意して、工事名で分ける
  • 材料を買ったら、領収書に工事名をメモする
  • 外注の請求書も、同じ場所にまとめる

このやり方なら、あとから見返すときも迷いません。

「現金精算ルール」を作って、どんぶりを防ぐ

現場での立替や現金払いが多いと、数字が崩れやすくなります。そこで、簡単でもよいので現金のルールを決めておくのがおすすめです。

  • 立替はメモを必ず残す(いつ・何に・いくら)
  • 領収書がない支払いは、理由を書いて残す
  • まとめて精算する日を決める(例:週1回、月2回など)

これだけで、後から「何に使ったお金か分からない」が減り、数字の信頼性が上がります。

開業直後に整えると効果が大きい3つ

最後に、開業直後に優先して整えると効果が大きいものをまとめます。

  • ・見積・契約・請求の型(約束と入金を安定させる)
  • ・工事ごとの支出のひもづけ(利益が見えるようになる)
  • ・書類と現金のルール(後で困らない)

これらは、特別なシステムがなくても始められます。開業直後に型を作っておくことで、取引先から見ても「安心して任せられる会社」になりやすく、結果として仕事も回しやすくなります。

よくあるケース別の進め方

千葉で建設業の会社設立を考える方は、状況が人によってさまざまです。

ここでは「よくある3つのケース」を例にして、何から考えると整理しやすいかをまとめます。自分に近いものから読んで、考え方のヒントにしてください。

個人事業からの法人化はいつやるのが得?

個人事業で続けていると、あるタイミングで「会社にしたほうがいいのかな」と迷い始めます。よくあるきっかけは、次のようなものです。

  • ・売上が増えて、税金の負担が重く感じるようになった
  • ・元請けや取引先から、法人のほうが都合がいいと言われた
  • ・従業員を雇ったり、外注を増やしたりして、体制を整えたい
  • ・車両や道具など、設備投資が増えてきた

法人化を考えるときのポイントは、「いつが得か」を一つで決めないことです。建設業は特に、税金だけでなく、信用資金繰りも影響します。

法人化の判断がしやすくなるポイント

  • ・今の売上のだいたいの規模(年・月どちらでもOK)
  • ・今後1〜2年で増やしたい仕事の形(元請けを増やす、直受けを増やす等)
  • ・人を雇う予定があるか(いつ頃か)
  • ・材料費・外注費がどれくらい出るか(多い工事かどうか)

このメモがあると、「個人のままが良いのか」「会社にしたほうが動きやすいのか」が、かなり整理しやすくなります。

一人親方から組織化:従業員を入れる前に決めること

一人親方で回していると、忙しくなったタイミングで「人を入れたい」と考えることが増えます。ただ、勢いで雇うと、あとで苦しくなることもあります。

雇う前に決めたいのは、まず「固定費を増やしても回るか」です。建設業は案件の波が出やすいので、ここはとても大事です。

雇う前に最低限チェックしたいこと

  • ・毎月の売上が落ちても払える固定費の上限を決める
  • ・「正社員」「日雇い」「外注」など、どの形が合うかを考える
  • ・現場を回すために必要な役割を決める(手元、職長、事務など)
  • ・給与や支払いのルールを、先に決めておく

特に大事なのは、雇うこと自体よりも、雇った後に「お金」「段取り」「管理」が回る状態を作ることです。

また、外注が多い場合は、外注と雇用の線引きを曖昧にしないことも重要です。ここが曖昧だと、後で手続きや運用がややこしくなります。

元請比率を増やしたい:許可・資金・管理の優先順位

「下請け中心から、元請けを増やしたい」という相談は多いです。元請けが増えると単価が上がりやすい一方で、求められるものも増えます。

進め方のコツは、やることを一気に増やさず、優先順位をつけることです。

元請けを増やすときに整えたい優先順位

  • ・許可の要否を整理する(受けたい工事と金額を見て判断する)
  • ・資金繰りを整える(材料費・外注費の立て替えが増えやすい)
  • ・見積・契約・請求の型を作る(追加工事のもめごとを減らす)
  • ・工事ごとの利益が見えるようにする(利益が残る体質にする)

元請けに近づくほど、取引先から見られるポイントは増えます。逆に言えば、開業直後に見積・契約・請求原価の見え方を整えておくと、元請けの仕事にも対応しやすくなります。

ケース別に共通して大事なこと

最後に、どのケースにも共通して大切なことは下記になります。

  • ・受けたい工事1件の金額の目安を言えるようにする
  • ・材料費・外注費・入金のタイミングを意識して、資金繰りの形を作る
  • ・見積・契約・請求を「いつも同じ」にして、約束と入金を安定させる

会社設立は「作ること」よりも、「作ったあとに回る状態にすること」が重要です。自分の状況に合う進め方を選び、無理なく続く形に整えていきましょう。

よくある質問

ここでは、千葉で建設業の会社設立を考える方が、よく不安に感じる点をQ&Aでまとめます。制度は状況で変わることがあるため、この記事では一般的な考え方として、間違いが出ない範囲で整理します。

Q. 建設業許可がなくても受けられる工事は?

A. 一般的には、いわゆる「軽い工事(軽微な建設工事)」に当てはまる場合は、建設業許可がなくても請け負えるとされています。目安は次のとおりです。金額は消費税なども含めた合計で考えます。

  • ・建築一式工事:1件の請負代金が1,500万円未満、または木造住宅で延べ面積150㎡未満
  • ・それ以外の工事:1件の請負代金が500万円未満

ただし、実務では金額が目安以下でも、取引先から「許可がある会社が望ましい」と言われることがあります。受けたい仕事の内容や取引先の方針も踏まえて整理するのが安心です。

Q. 設立直後でも創業融資は使える?

A. 設立直後でも、創業時向けの融資を検討できます。ポイントは「設立したかどうか」だけではなく、事業の内容と数字の説明ができるかです。

建設業の場合は、次のような情報があると説明しやすくなります。

  • どんな工事を主にやるか(得意分野、客層)
  • 1件あたりの金額の目安、月の件数の見込み
  • ・材料費・外注費がどれくらい出るか
  • ・入金までの期間(締め日・入金日)
  • 設備や車両など、何にいくら使うか

融資の可否は個別事情で変わりますが、少なくとも「借りたい」だけではなく、なぜ必要で、どう返すかを言える状態にしておくのが大切です。

Q. 会社設立後に必要な税務署の手続きは?

A. 会社を作った後は、税務署などに届け出が必要になることがあります。届け出の種類は、会社の状況によって変わります。

ここで大事なのは、書類名を覚えることよりも、「期限がある手続きがある」と知っておくことです。後回しにすると選べる制度が減ったり、やり直しが増えたりすることがあります。

設立後は現場が忙しくなりやすいので、最初の段階で「いつまでに確認しておく」という予定を入れておくと安心です。

Q. 事業目的はどう書けばいい?

A. 事業目的は「この会社が何をするか」を示すものです。建設業は仕事の幅が広がりやすいので、適当に決めると後で困りやすくなります。

考え方はシンプルで、「今やること」「近い将来やりそうなこと」を整理して書くのが基本です。

  • ・今の主な工事(例:内装、外構、設備など)
  • 近い将来に増えそうな工事(広げる予定がある場合)
  • 建設業に関係する範囲で、言葉のズレが出ないようにする

最初に整えておくと、後から事業目的の追加で手続きが増えるリスクを減らせます。

Q. まず誰に相談すべき? 

A. 相談先は、「何を決めたいか」で分けると考えやすくなります。ひとことで言うと、次のイメージです。

  • ・会社を作る:会社設立の手続きに詳しい専門家
  • ・建設業許可:許可申請に詳しい専門家(必要書類や要件の整理)
  • ・融資:創業計画や数字の整理に強い相談先
  • ・税金・会計:設立後の運用(記帳、税金、届出)を見据えた相談先

建設業の会社設立は、手続きが一つではありません。目的ごとに分けて整理すると、必要な順番が見えやすくなり、無駄な動きが減ります。

まとめ

千葉で建設業の会社設立を進めるとき、いちばん大事なのは「手続きの順番」よりも、最初に決めるべきことを先に決めることです。

会社は作れても、許可が必要な工事を受けられなかったり、資金繰りが詰まったりすると、スタートからつまずきやすくなります。だからこそ、次の3つを最優先で整理するのが、結果的に一番早いです。

1)許可が必要か

建設業は、工事の内容や金額によって建設業許可が必要になる場合があります。ここが曖昧だと、会社を作ったあとに「その仕事は受けられない」と分かって、動きが止まることがあります。

まずは、次の2つをメモにして、判断の土台を作るのが大切です。

  • ・受けたい工事の種類(内装、外構、設備、解体など)
  • ・1件あたりの金額の目安(よくある金額の幅でOK)

この2つが言えるだけで、許可の要否が整理しやすくなり、会社設立の進め方も決めやすくなります。

2)会社形態について

会社形態は「どっちが得か」ではなく、受注の形と広げ方に合うものを選ぶのがコツです。

  • ・信用や見え方を優先したい:株式会社が合いやすい
  • ・まずは小さく始めて、利益を残したい:合同会社が合いやすい

どちらを選んでも、見積・契約・請求の型や、お金の管理が整っていれば、信用は積み上がります。最初は無理なく続く形を選ぶのが現実的です。

3)資金計画

建設業は、材料費や外注費など支払いが先に出る一方で、入金が後になることがあります。ここを甘く見ると、黒字でも資金が足りなくなることがあります。

資金計画では、次の3つを先に整理しておくとブレにくいです。

  • ・先に出るお金(材料費・外注費・固定費)
  • ・入金までの期間(締め日・入金日)
  • ・ゆとり(想定より入金が遅れたときの備え)

この整理ができていると、資本金の決め方や、融資が必要かどうかも判断しやすくなります。

会社設立・許可・資金の不安を減らすために

ここまで読んで、「やることは分かったけれど、自分の場合はどこから手を付ければいいのか迷う」と感じた方もいると思います。

建設業の会社設立は、やるべきことが複数に分かれます。だからこそ、最初に判断の軸を作っておくと、手続きがスムーズになり、無駄な遠回りが減ります。

 

無料相談のご案内

「許可が必要かどうかがはっきりしない」「資本金や融資の考え方が不安」「設立後の手続きまで含めて整理したい」という方は、一度状況を言葉にして整理すると、次にやることが見えやすくなります。

無料相談では、今の状況を伺いながら、やることの優先順位手戻りしない進め方を一緒に整理します。ご希望の方は、「無料相談」をご利用ください。

船橋の税理士による創業支援コラムの最新記事

サポートメニュー一覧

資金について相談したい!

会社設立について相談したい!

経営・税務会計について相談したい!

新着情報

ページ上部へ戻る