【創業支援コラム】20150902 会社設立時の資本金

会社設立の相談にあたって、よく相談を受けるのが
設立時の資本金をいくらにしたらよいか、というものです。
他の質問については割と明確に答えることができるのですが、
資本金については何万円がいいです。とはっきり言えないところに難しさを感じます。

会社設立をした後に紹介で顧問先になっていただいたお客様からいわれた内容が、
「資本金は会社を設立したあとは社長の口座に戻していいでしょ」というものでした。

つまり、資本金はただの見せ金であり、社長のお金である、という認識でした。
これは悪気があっていったのではなく、本当にそういうものだと理解されていました。

実際、社長の口座を利用して会社設立を行いますし、
仕入や設備が必要のない事業内容であれば、
そもそも資本金についての存在意義はなくなってきます。

ですので、資本金を社長口座に戻しても会社として資金繰りは困りません。
ただし、この行為について税務上は大変注意が必要になってきます。

会社の資本金を社長の口座に戻すということは、
会計税務上の取り扱いでは会社のものを社長に貸している、ということになるからです。
なぜなら、会社の資本金は会社のものです。

資本金は見せかけにすぎないから会社から社長に返金した、という考えかもしれませんが、
資本金は会社のものである以上、これを社長口座に移していたら、
社長が会社から借金していることになります。

借金しているということは、社長は会社に対して借金分の利息を
支払わないといけないことになります。
そして、この利息分について会社は法人税が課されることになってくるのです。
税務調査で社長に対して貸付があると、利息をとりなさいと指導をうけることがよくあります。
そもそも会社はお金を借りることはあっても、他人にお金を貸すことはあまりないので、
目立つためすぐに見つかります。
また、銀行から借り入れをする場合でも、
社長に対する貸付があると借り入れの際にかなり不利になります。

そういった点からも、資本金は社長には返さないということを前提にしなければなりません。
会社から返してもらえるからと、生活費の分まで資本金として会社にいれてしまうと、
会計税務上、貸付をうけるということになりかねないので、
そういったことがない範囲で資本金を決めていただければと思います。

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