銀行口座の開設は会社設立後に!必要書類や金融機関の種類について解説

会社を設立するとき、「銀行口座はいつ作ればいいのか」「設立前に動いても問題ないのか」と迷う方は少なくありません。実際、口座開設のタイミングや進め方を誤ると、開設できない・手続きが長引くといった事態につながることもあります。

法人口座は、取引先からの信用お金の管理に直結する重要なものです。会社設立後の実務をスムーズに進めるためにも、正しい順番・必要書類・金融機関ごとの特徴をあらかじめ理解しておくことが欠かせません。

この記事では、会社設立時に多くの方がつまずきやすい「銀行口座開設」について、はじめて会社を作る方でもイメージしやすいように、基本から順を追って解説します。これから会社設立を予定している方、設立したばかりの方は、ぜひ参考にしてください。

会社設立と銀行口座開設の正しい順番

会社を作るときに多い疑問のひとつが、「会社設立と銀行口座開設は、どちらが先なのか」という点です。順番を間違えると、口座が作れず手続きが止まってしまうこともあります。

ここでは、会社設立と銀行口座開設の正しい流れについて整理します。

会社設立前に銀行口座は作れるのか

結論から言うと、会社名義の銀行口座を、会社設立前に作ることはできません

銀行が開設する「法人口座」は、すでに存在している法人を前提としています。そのため、登記が完了していない状態では、会社名義の口座を作ることはできないのが一般的です。

なお、設立前に代表者個人の口座を一時的に使うケースもありますが、これはあくまで準備段階の対応であり、正式な事業用口座とは別に考える必要があります。

原則として「会社設立後」でないと開設できない理由

銀行が法人口座を開設する際には、「本当に存在する会社なのか」を確認します。

その確認に使われるのが、登記簿謄本や定款といった書類です。これらは、会社設立の登記が完了していないと取得できません

また、銀行は口座を悪用されることを防ぐため、会社の実態や事業内容を慎重に確認します。そのため、正式に設立された会社であることが、口座開設の大前提となっています。

このような理由から、会社設立と銀行口座開設は、「会社設立 → 必要書類の取得 → 銀行口座開設」という順番で進めることが重要です。

会社設立後、いつ銀行口座を開設すべきか

会社を設立したあと、「銀行口座は急いで作らなくても大丈夫なのでは」と考える方もいます。しかし、法人口座は事業を進めるうえで欠かせないものです。

ここでは、会社設立後にいつ銀行口座を開設すべきか、その理由と注意点を説明します。

設立直後に動くべき理由

会社設立後は、できるだけ早いタイミングで銀行口座の開設に動くことが重要です。

売上の入金や経費の支払いが始まる前に法人口座を用意しておくことで、お金の流れを最初から整理できます。

また、金融機関によっては、設立から時間が経つよりも、設立直後のほうが事業内容を説明しやすい場合もあります。事業計画や準備状況をそのまま伝えやすいためです。

口座開設が遅れることで起きやすいトラブル

銀行口座の開設が遅れると、個人口座で事業のお金を扱わざるを得ない状況になりがちです。

その結果、事業用と個人用のお金が混ざり、収支の把握が難しくなることがあります。

また、取引先から見て、振込先が個人名義のままだと、会社としての信用に不安を持たれるケースもあります。

こうしたトラブルを避けるためにも、会社設立後は早めに銀行口座の開設手続きを進めることが大切です。

法人口座とは?個人口座との違い

会社を設立したあと、「法人口座と個人口座は何が違うのか」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

見た目は同じ銀行口座でも、役割や使われ方は大きく異なります。ここでは、その違いと注意点を分かりやすく整理します。

法人口座と個人口座の根本的な違い

法人口座は、会社名義で開設する事業専用の口座です。一方、個人口座は、個人が生活費などを管理するための口座です。

法人口座は、売上の入金や経費の支払いなど、会社のお金だけを管理することを目的としています。

そのため、通帳や取引明細を見れば、会社のお金の動きが一目で分かる状態になります。

個人口座で事業を行うリスク

会社を設立したあとも個人口座を使い続けると、事業用と個人用のお金が混ざってしまうリスクがあります。

お金の流れが分かりにくくなり、経理作業や決算の負担が増える原因にもなります。

また、取引先から見たときに、振込先が個人名義だと、会社としての信用に不安を持たれることもあります。

こうした点からも、会社を設立したあとは、できるだけ早く法人口座を用意することが大切です。

法人口座を開設するメリット

法人口座は、単にお金を受け取るための口座ではありません。会社として事業を進めていくうえで、信用・管理・将来の選択肢に大きく関わる重要な役割を持っています。

信用度の向上

法人口座を持つことで、取引先やお客様から見たときに、「会社として正式に活動している」という印象を持ってもらいやすくなります。

請求書や契約書に記載される振込先が法人名義であるだけでも、安心感につながるケースは少なくありません。

資金管理・経理のしやすさ

法人口座を使う最大のメリットのひとつが、お金の管理がシンプルになることです。

売上の入金、経費の支払い、税金の支払いなどをひとつの口座でまとめて管理できるため、収支の流れが分かりやすくなります。

その結果、経理作業の負担が減り、数字の確認ミスを防ぎやすくなるという利点もあります。

融資・補助金申請との関係

将来、融資や補助金の申請を考える場合、法人口座の取引履歴が重要な判断材料になることがあります。

銀行や公的機関は、会社としてどのようなお金の動きがあるかを確認するため、法人口座の明細を参考にします。

日頃から法人口座を使って事業を行っておくことで、会社の実績を数字で示しやすくなる点も、法人口座を持つ大きなメリットです。

法人口座開設に必要な書類

法人口座をスムーズに開設するためには、必要書類を事前にそろえておくことがとても重要です。書類が不足していると、手続きが止まったり、再提出を求められたりする原因になります。

ここでは、ほとんどの金融機関で共通して求められる書類と、場合によって追加で必要になる書類を整理します。

必ず必要になる基本書類

多くの金融機関で、次のような書類はほぼ必須となっています。

・商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
会社が正式に設立されていることを証明する書類です。会社名や所在地、代表者などが記載されています。

・定款
会社の目的や事業内容を示す書類です。銀行は、この内容からどのような事業を行う会社なのかを確認します。

・代表者の本人確認書類
運転免許証やマイナンバーカードなど、顔写真付きの身分証明書が一般的です。

・代表者の印鑑証明書と実印
口座開設の申込みが代表者本人の意思であることを確認するために使われます。

・口座の届出印
銀行取引で使用する印鑑です。実印とは別の印鑑を使うこともできます。

金融機関によって追加で求められる書類

会社の状況や金融機関によっては、追加の書類を求められることがあります。

たとえば、事業内容が分かる資料や、会社のホームページの情報を確認されることがあります。

また、設立直後の会社では、どのように売上を上げる予定なのかを説明するための資料を求められるケースもあります。

金融機関ごとに確認内容は異なるため、申し込み前に必要書類をチェックしておくと、手続きをスムーズに進めやすくなります。

銀行口座開設の審査で見られるポイント

法人口座を開設する際、金融機関では「実際に事業を行う会社かどうか」を確認するための審査が行われます。内容は難しいものではありませんが、事前にポイントを理解しておくことで、手続きをスムーズに進めやすくなります

事業内容・事業実態

銀行が最も重視するのが、どのような事業を行う会社なのかという点です。

定款に書かれている内容と、実際に予定している事業が大きくずれていないかが確認されます。

また、「何を提供して」「どのように売上を得るのか」を簡単な言葉で説明できることも重要です。

事務所の実在性

会社の所在地が、実際に存在する場所かどうかもチェックされます。

自宅を事務所としている場合でも問題はありませんが、住所が明確で、郵便物が届く状態であることが大切です。

登記上の住所と、実際の使用状況が一致しているかも確認されることがあります。

ホームページ・外部情報

会社のホームページがあると、銀行側が事業内容を把握しやすくなるため、審査が進みやすくなる場合があります。

必須ではありませんが、事業内容・会社概要・連絡先などが確認できる情報があると、安心材料になります。

設立直後の会社が特に見られる点

設立して間もない会社は、実績がまだ少ないため、事業の計画や準備状況が重視されます。

そのため、どのような準備を進めているのかすでに動き出している内容があるかを説明できることが大切です。

あらかじめ事業の概要を整理しておくことで、安心してもらいやすくなり、審査もスムーズに進みやすくなります。

法人口座を開設できる金融機関の種類

法人口座は、どの金融機関でも同じ条件で開設できるわけではありません。金融機関ごとに特徴や考え方があり、会社の状況によって向き・不向きがあります。

ここでは、会社設立時によく検討される主な金融機関の種類を整理します。

都市銀行

都市銀行は、全国に支店を持つ大手の銀行です。

社会的な信用度が高く、取引先からの印象も良い点が特徴です。

一方で、設立直後の会社に対しては審査が慎重になりやすく、口座開設までに時間がかかることもあります。

地方銀行

地方銀行は、地域に根ざした金融機関です。

地元で事業を行う会社の場合、事業内容を理解してもらいやすい傾向があります。

都市銀行に比べて、相談しやすいと感じるケースもあります。

信用金庫・信用組合

信用金庫や信用組合は、地域の中小企業を支援することを目的とした金融機関です。

会社設立直後でも、事業の内容や想いを丁寧に伝えることで、前向きに対応してもらえる場合があります。

将来的に融資を検討している会社にとっては、関係を築きやすい点も特徴です。

ゆうちょ銀行

ゆうちょ銀行は、全国どこでも利用しやすい金融機関です。

振込や入出金の利便性は高い一方で、事業向けのサービスは限られているため、メイン口座として使うかどうかは慎重に考える必要があります。

ネット銀行

ネット銀行は、オンラインで手続きが完結しやすい点が特徴です。

振込手数料が比較的安く、インターネットバンキングも使いやすいため、会社設立直後の口座として選ばれやすい傾向があります。

ただし、対面での相談ができない点は、あらかじめ理解しておくことが大切です。

会社設立直後におすすめの銀行口座の考え方

会社を設立したばかりの時期は、「どの銀行を選べばよいのか」と迷いやすいものです。この段階では、完璧な選択を目指すよりも、無理なく使い始められる口座を選ぶことが大切です。

最初の1行目に選ばれやすい金融機関

設立直後の会社では、まず口座を開設しやすい金融機関が現実的な選択になります。

手続きが比較的シンプルで、オンラインで完結しやすい銀行は、初めて会社を運営する方にとって使いやすい傾向があります。

「まずは事業を動かすための口座」を確保する、という考え方が重要です。

ネット銀行だけで始めても問題ないか

結論として、会社設立直後はネット銀行だけでスタートしても問題ないケースが多くあります。

振込手数料が抑えられ、インターネット上で残高や入出金を確認できるため、日々の管理がしやすい点がメリットです。

ただし、対面での相談が必要になる場面や、将来融資を重視する場合には、別の金融機関も検討する余地があります。

将来を見据えた銀行選びのポイント

銀行口座は、あとから変更や追加ができるものです。

そのため、設立直後は使いやすさを重視しつつ、事業が軌道に乗ってきた段階で、相談しやすい金融機関取引の幅が広い銀行を追加する考え方もあります。

今の状況だけでなく、数年後の事業イメージを少し意識して選ぶことがポイントです。

銀行口座が開設できない・審査に落ちた場合の対処法

銀行口座の開設を申し込んだものの、断られてしまった、または手続きが進まないというケースもあります。ですが、一度断られたからといって、今後ずっと口座が作れないわけではありません

ここでは、よくある理由と、次に取るべき行動を整理します。

よくある開設NGの理由

銀行口座が開設できない理由として多いのは、事業内容が分かりにくいというケースです。

何を扱う会社なのか、どのように収入を得るのかが伝わらないと、銀行側は判断ができません。

また、事務所の実態が確認しづらい場合や、設立直後で情報が少ない場合も、慎重な判断をされやすくなります。

再チャレンジする際の改善ポイント

再度申し込む際は、事業内容を分かりやすく説明できる準備を整えることが大切です。

たとえば、「誰に」「何を」「どのように提供するのか」を、簡単な言葉で説明できるようにしておきましょう。

あわせて、会社の住所や連絡先、事業の進み具合などを整理しておくことで、安心してもらいやすくなります

別の金融機関を検討する際の考え方

銀行によって、審査の考え方や重視する点は異なります

ひとつの銀行で断られた場合でも、別の金融機関では問題なく開設できるケースもあります。

そのため、金融機関を変えて申し込むという選択も、現実的な対処法のひとつです。

自社の状況に合った金融機関を選び、落ち着いて再チャレンジすることが大切です。

会社設立と銀行口座に関するよくある質問

会社設立と銀行口座については、多くの方が同じような疑問を持っています。ここでは、特に質問が多いポイントを分かりやすく整理します。

会社設立と同時に口座は作れる?

会社設立とまったく同時に法人口座を作ることは、基本的にできません。

法人口座の開設には、登記が完了したあとに取得できる書類が必要になるためです。

そのため、会社設立の登記完了 → 書類の取得 → 銀行口座の申込みという流れになります。

口座開設までどれくらい時間がかかる?

銀行口座の開設にかかる期間は、金融機関によって異なります。

早ければ数日から1週間程度で完了する場合もあれば、内容確認に時間がかかり、数週間かかるケースもあります。

必要書類を事前にそろえ、事業内容を説明できるようにしておくことで、スムーズに進みやすくなります

複数口座を持っても問題ない?

法人口座を複数持つこと自体に問題はありません

売上の入金用と支払い用で分けたり、用途ごとに使い分けたりすることで、お金の流れが分かりやすくなる場合もあります。

ただし、管理が複雑になりすぎないよう、使い道を決めて運用することが大切です。

まとめ|会社設立後は早めに銀行口座の準備を

会社を設立したあとは、できるだけ早い段階で銀行口座の開設に取り組むことが重要です。法人口座は、事業のお金を管理するための基盤であり、取引や支払いを円滑に進めるうえで欠かせません。

銀行口座は、会社設立後でなければ開設できないため、正しい順番を理解したうえで準備を進めることが大切です。必要書類をそろえ、事業内容を説明できるようにしておくことで、手続きはスムーズに進みやすくなります。

また、金融機関にはそれぞれ特徴があります。設立直後は使いやすさや開設しやすさを重視しつつ、将来の事業展開も少し意識して選ぶことがポイントです。

事前に流れを理解し、計画的に準備することで、銀行口座の開設は決して難しいものではありません。会社設立後のスタートを円滑に切るためにも、早めの口座準備を心がけましょう。

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