トラブルにならない会社の廃業(廃止)!解散・清算結了の流れを司法書士が徹底解説!
会社を廃業(廃止)することを考えられている方へ。
いざ会社を廃業(廃止)しようとする場合、廃業後にトラブルになるようなことだけは避けたいですよね。
会社を畳んだあとは次の人生に向けて安心して暮らしていけるように、後片づけは綺麗にしたいものです。
そこで今回は、会社を解散・清算しようと考えられている方向けに、全体の流れを解説したいと思います。
今回は主に、株式会社を念頭に説明いたします。
まずは解散の決議をしましょう!
会社の解散事由には解散決議のほかに合併、破産、裁判所による解散命令など(会社法471条)がありますが、今回はあくまで、自主的に会社を解散する場合に限定してお話をすすめたいと思います。
会社が自主的に会社を解散しようとする場合には、定款で存続期間や解散事由を定めていない限り、株主総会で解散決議を行います。
この決議は会社の存続に関わる重大な事項ですので特別決議となります。
解散決議の際には清算人の選任もお忘れなく!
会社が解散すると取締役・代表取締役は当然に退任することになります。
でもこのままではその後の会社の業務はストップしてしまいますよね。
そこで、新たに「清算人」という方を選任してその方にその後の業務を遂行してもらいます。
この清算人は、定款で定められている場合にはその方がなるわけですが、定款で清算人を定めている会社は少ないと考えられますのでその場合は会社の解散決議のときに一緒に清算人も選任してしまいましょう。
会社法では定款に規定がなく株主総会でも選任しなかった場合には従前の取締役(代表取締役)が清算人となる、と規定されていますが、実際には株主総会で選任決議をする会社が多いようです。
解散決議のあとは、決議後2週間以内に登記を入れましょう!
会社の解散決議をしたら、その決議の日から2週間以内に法務局に対して解散の登記を申請します。
この場合の申請は、通常、①会社の解散登記と②清算人の就任登記の同時申請になります。
それまでの取締役にかわって清算人が会社を代表して業務を遂行することになりますので、印鑑届書も新たに提出することになりますのでご注意ください。
清算人のお仕事とは!
取締役・代表取締役に代わって会社の業務を遂行するのが清算人ということですが、ではその清算人の業務というのは具体的にどういうことをするのでしょうか。
会社法では大きく①「現務の結了」、②「債権の取立て及び債務の弁済」、③「残余財産の分配」、の3つを清算人の業務として規定しています。
①現務の結了というのは、会社の解散時点において未だ途中となっている業務を終わらせることです。
すでに締結している契約の履行等がそれにあたります。
新規に取引を行うことは認められません。
②債権の取立て及び債務の弁済とは文字通り、未回収の債権を回収し、また債務等の負債があればその支払事務を遂行します。
これらの事務をすべて終えたうえでなお残っている財産は残余財産と呼ばれ(清算人業務の③です。
)、株主に分配します。
このようにして残余財産の処分まで全て綺麗にしたら清算事務は完了です。
解散公告もお忘れなく!債権者に対する個別催告も必要です。
会社が解散する場合には、官報公告をすることが会社法によって定められています。
なぜその必要があるのかといいますと、ずばり債権者を保護するためです。
会社が解散して消滅してしまった場合、もしもその会社にまだ債権を有している債権者がいたとして会社の解散を知らずに清算手続から外れてしまった場合にはその債権者が困りますね。
また、会社側としても、会社を解散して消滅させた後に、債権者だという方が現れて支払いを請求された場合に混乱が生じてしまいます。
ですから、官報公告をして会社が解散した旨を公告する必要があるわけです。
この公告期間は最低2か月間必要とされています。
官報公告のほかに、わかっている債権者に対しては個別に催告をすることも必要とされています。
官報は一般の方はあまり見る機会もありませんので、債権者を保護する観点からこのように定められています。
最後は清算結了の登記で完了です!
清算事務が終了したら、行った業務の内容を決算報告書としてまとめ株主総会の承認を得る必要があります。
株主総会の承認を得ることで実質的に清算結了となります。
ここまで進んだら今度は最終段階。
法務局に対して清算結了の登記を行います。
この清算結了の登記を申請するタイミングについてですが、官報公告の期間が最低2か月間と定められていることから、清算結了の登記は解散日から少なくとも2か月間経過後の日でなければいけませんのでご注意ください。
2か月間経過前に清算結了の登記を申請したとしても法務局のほうでは受け付けてもらえません。
この清算結了登記が完了することで会社はその法人格を失い名実ともに消滅することになります。
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