勤務実態がない家族を名目上の役員として報酬を支給した場合

勤務実態がないにもかかわらず、登記上役員にしているため役員報酬を支払えるかという相談をよく受けます。

本来役員報酬は経済活動を行うために必要な経費として、これを損金の額に算入するが、職務行為の対価として相当な額を超える額はたとえ報酬という名目であろうと実質的には利益処分である賞与に該当するものとしてこれを損金の額に算入しないものとすると解されています。ですので、実態がないのに支払う場合は賞与扱いを受ける可能性がありリスクがあります。

これについて実際に国税不服審判所で採決された事例がありますので紹介します。平9.9.29裁決、裁決事例集No.54 306頁からの引用です。

こちらの事例はパチンコホールを営む同族会社の役員に対する支払いについてになります。3名の勤務実態のない役員に対して、300万円~900万円の間で支払いを行っていました。登記や議事録など形式的な要件は全て満たした形で損金算入処理をしていました。

しかし、税務署では、不相当に高額な部分の金額があるとしてこの金額のうちの大部分を損金不参入として更正処分としました。

これを受けて不服審判所にて審議されましたが結果として税務署と似た判断結果になりました。結論として認められたのは、年間110万円~180万円の役員報酬です。

これでも月10万円認められているので高額な気がしないでもないですが、そこまでは認められる可能性があるという見方ができる判決となっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

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